白往生と俺《序》
初めてプレイしたSTGのタイトルを覚えているだろうか。
STGに限らず、初めての経験というのは印象に残りやすく、その物事や人との付き合い方を強く決定づけると思う。
例えば、初対面の人と会うときを考えてみる。
自身の身だしなみが整えられていれば、良い印象を与えられて信頼関係を築きやすくなるだろう。
しかし、だらしない格好であれば悪い印象を与えてしまい、信頼を得るのに時間と苦労がかかる。
初動はかなり重要だ。
さて、そんな大事なファーストコンタクトで、STGというジャンルにおいて、私が最初に出会ったのは怒首領蜂大往生というゲームだった。
◎ きっかけ
大学に入学してから一人暮らしを始めた。
その頃はゲームのスーパープレイやTAS動画を見るのが好きで、ユーチューブとニコニコをよく徘徊していた。
そんな時にオススメに上がってきたのが、デスレーベルのクリア動画だった。
動画を見て思ってしまった。
『俺もやってみたい』
◎ 初めてSTGをプレイする
早速PS2版の大往生を購入してプレイした。
1面のボスでゲームオーバーになった。
記念すべき初プレイの感想は、よく分からないな、だった。
ショットとレーザーって何?ボム2種類あるの?ボムが出なくて代わりに自機の攻撃が黄色くなったんだけど?黄色くなる条件は?などなど、とにかく疑問が多かった。
説明書を読んでもいまいち理解できない。
それでも何とか2面を超えることはできた。
しかし、3面で完全に詰まってしまった。
”パターンを組む” という考え方自体、自分には全くない概念だった。
ある時、自力での攻略は限界があると悟り、動画を見て参考にすることにした。
そうケツイして見た動画は、1周9億の動画だった。
当時、ユーチューブで白往生を検索したらデスレーベルの次に出てきた動画だったのである。
とんでもない動画を見てしまったなと思うが、当時の自分は1周9億の凄さなんてものは分からなかった。
当然、動きのマネは出来なかったが、それでも得るものはあった。
基本システムはこの動画を見て理解したし、再現性のある動きをすることが大事だということも分かった。
そこからPS2のシミュレーションモードを駆使して1~3面までの動きを練習し、厳武の撃破まで漕ぎつけた。
文章で書くとサラッとしているが、この時点で購入から半年近く経過していた。
◎ 白往生1周クリアまで
正直3面をクリアした時点でお腹がいっぱいだったが、せっかく買ったのだから1周クリアはしたかった。
4面と5面の攻略は相応に難しく苦しかったが、始めたての自分が1~3面で感じたほどではなかった。
むしろ、考えたパターンが上手くいったときの爽快感に、段々と虜になっていった。
通しプレイで初めて5面を拝んだ時の高揚感は未だに覚えている。
セカンドエクステンドに初めて届いたのも、そのプレイだった。
この時の興奮が、自身を突き動かしたことは一度や二度ではなかった。
今でもSTGの原動力になり得るほどの感情であった。
そうして攻略を続けていよいよ、白往生1周をクリアするに至った。
およそ1年弱の戦いだった。
◎ クリアした後に
白往生の第一印象は何とも微妙なものだったが、やり込むほどその味が分かってきた。
不思議なことに、1周クリアしたらもう止めよう、と思っていたのに、もっとSTGという世界に触れてみたい、と思うようになっていた。
クリア時にこの感想を抱けたのは、白往生というゲームのなせる業なのかもしれなかった。
STGの出会いが白往生ではなかったらどうなっていただろう。
最初に躓いた時点で、STGというジャンルをサックリ見限っていたかもしれない。
たらればの話をしても仕方ないが、少なくとも言えることは、白往生というゲームのおかげでSTGにハマることができたということだ。
ケイブSTGをもっとプレイしてみたかったので、多くの移植作があるXBOX360を購入した。
ここからSTGにのめり込んでいくようになっていくのだった・・・。
⇒ 白往生と俺《破》 に続く。